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画廊で働くには?これからギャラリーで働きたいと思っている人へ

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業界の小話・裏話
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私は元々、上場企業の会社員であったが、美術への情熱が捨てきれず、画廊へ転職した経験がある。(現在は退職済)

率直に話すと、画廊で働かせてもらい良かったと思う反面、「最初からもう少し調べておけば良かった…」と後悔したことも多い。

いかんせん、この業界は転職しようとしても圧倒的に情報が少ないのだ。

今回は画廊で働きたいと思う方に向け、自身の経験を元にメリット、デメリット、画廊で働く方法をまとめた。

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ギャラリーで働くメリット

好きなことを仕事にできる

アート好きであれば、これ以上のメリットはない。

美術館で入場料を払い、人混みの中で見ることしか出来ない作品を、毎日タダで見られるのだ。

正に天職とはこのことを言うのだな…、と著者も常日頃感じていた。

 

美術の教養が身に付く

働いていくうちに、言語化はできないのだが、良い絵、微妙な絵、なんだか偽物っぽい絵、などの感覚が身に付いてくる。

美術館で偶に見ていては、どの絵が評価されていて、どの絵がそうでも無いのか、という感覚が難しいように感じるが、毎日アートに触れていると、「絵の見方」の感覚的な部分が養われるだろう。

 

人生勉強になる出会いがある

アートは生活必需品でない高価な買い物であるため、一般民の著者が日常生活で会えないような、経営者社会的地位のある人に会えた。

世の中には実に表に出ていない職業が多くあるのだということも知れた。

お客様の人となりに触れ、仕事への姿勢や、それまでの人生を知ることは、著者にとっても大変勉強になったものだ。

 

ギャラリーで働くデメリット

非常に離職率が高いのも特徴。

著者、同僚、関係者の離職理由として多かったものをデメリットとして紹介する。

 

薄給、激務、福利厚生は期待できない

この業界、薄給(時給換算したら最低賃金並)で休みが少ない

私の働いていた画廊は、時代もあったとは思うが、残業代無し、勤怠の記録すらとっていなかった。

祝日を含め休みの多い月であっても、毎月の休みは8日。それ以上は有休消化が必要だ。

また、催事が続く時期等は月の休みが4日以下、十数連勤ということも珍しくは無かった。体力に自身の無い場合、この仕事は選ばない方が良い。

 

肉体労働が多い

絵画を掛け替えたり、出したり、閉まったり。特に油彩の額装は重いものも多い

力仕事が多いのもこの仕事の特徴。

長年働いていると、腰や膝を痛めてしまうベテラン勢も数名見かけてきた。

 

高額商品を扱うプレッシャーがある

作品の仕入れから納品まで、一貫してあるのが作品を扱うプレッシャー。

作品を傷つけないように、細心の注意を払って取り扱わなければならない。

作品が損傷することは滅多になかったが、額が壊れることは稀にあった。私が画廊で働いていた時は、万が一、会社から攻められた場合のために、損害賠償保険に入っていた。

 

人と休みが合わないので、孤立しがち

大体の画廊は土日に営業していることが多く、休日にゆっくり友人と遊ぶことができない。

そもそも2連休を取得できることが殆どない。

逆に、どこでも空いている平日に色々な所へ遊びに行けるというメリットもあるので、自分のライフスタイルと合えば、転職とも言える。

 

人間関係に悩む場合がある

はっきり言おう。

この業界、個性の強い人が多く、一般常識がまかり通らないことが多々ある。別の国で働いているのか?と思うほど、一般企業にいた身からすると、感覚が異なることが多々あるのだ。

また、古くから勤めている社員が、何故か自分も社会的地位の高いお客様と同じように偉い、と勘違いしているような態度を取ることもある。

 

そして、オーナーとの相性が何よりも大事である。

基本的に、会社の方針や人員の配置はオーナーの鶴の一声によって決定される。つまり、オーナーに嫌われると会社へ居づらくなる。

 

私が最終的に画廊を退職した理由は人間関係であったが、この業界、長く働くにはスルースキルが大切である。

 

景気に左右されやすい

言うまでもなく、アートは生活必需品ではない。景気が悪くなると真っ先に切り捨てられるものだ。

バブル崩壊やリーマンショックの時には、多くの画廊が倒産した。画商はどこも自転車操業の会社が多いため、景気に敏感な職業だという事を認識して働くべきである。

 

求人の探し方

画廊のHPを確認

画廊のHPに求人が掲載されている。

ここで気をつけたいのだが、HPで求人ページを設けるということは、常に自社HPで求人を募集するページを作らないといけない程、人材が足りていない、ということでもある。

画廊は多くても10名体制以下の組織が多く、その程度の人数を募集するためにHP制作をするのか、ということ。優良な画廊であれば、そもそも欠員が発生しにくく、求人自体が滅多に行われないのだ。それに、一時的に求人を募集する場合は、お金を払って転職サイトに求人を出した方が良い人材が集まる。

 

直接問い合わせてみる

著者としては、この方法をオススメしたい。

優良画廊で、実は求人を募集していることがある。

気になる画廊が求人を出していない場合、思い切って問い合わせてみよう。

 

転職サイトの求人を確認する

かなり稀であるが、転職サイトに画廊の求人が載る場合がある。

運やタイミングもあるが、転職サイトへ登録し、求人をチェックするもの手である。

 

こんな画廊に注意!自分に合った画廊の見分け方

常に求人募集をしている

この業種に限らずであるが、余程の成長企業でない限り、人の入れ替わりが激しいことを示す一番の指標である。

このような画廊は大体、人間関係に問題があり、風通しの悪い職場であることも多いので注意しよう。

 

経営者の経歴を見る

何故、画廊を企業するに至ったのか。どこの会社で下積みをしていたのか。

経営者のキャリアから見えてくるものがある。

経営者と馬が合いそうか、自分とビジョンが似ているか、判断材料になるだろう。

 

商品を適正価格で取り扱っているか確認する

これは安過ぎても高過ぎてもダメなのだ。安過ぎても贋作を扱う悪徳画商かもしれないし、高過ぎてもぼったくり悪徳画商である。

作品の価格を値踏みするのは難易度が高いが、可能であれば、似た系統の作品を、複数の画廊で見てみよう。値段の相場感を身につけてから画廊を選んだ方が良い。

 

口コミサイトはあながち当たっている

かなりニッチな業界であるため、転職サイトに口コミが載ることはほぼ無いだろう。

Googleマップ等で検索し、客として画廊を訪れた人の口コミ(特に酷評)を確認しよう。

私の働いていた画廊も、知り合いのいる画廊も、あながち評判通りであり、画廊の雰囲気は目安になるだろう。

 

まとめ(個人の意見)

このようにまとめると、余程苦行のように見えるが、著者自身は美術が好きで情熱を持って働けていたし、案外楽しく毎日働いていたのだ。

ただ、おっとりとしていて華やかそうで暇そうだな〜、と足を踏み入れると、イメージとのギャップが大きいことは間違いない。

アートが好きでないと働き続けられない仕事であるが、アート好きにとっては天職であることは確かである

 

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