いよいよ2023年も下期に突入。
「芸術の秋」の季節がやってまいりました。
ということで、都内で開催される、今年の秋に絶対に行きたい、注目の美術展を5選を紹介いたします。
ガウディとサグラダ・ファミリア展
ジャンル | 建築、カタロニア・モダニズム建築 |
東京 | 東京国立近代美術館 2023年6月13日(火)〜9月10日(日) |
滋賀 | 佐川美術館 2023年9月30日(土)〜12月3日(日) |
愛知 | 名古屋市美術館 2023年12月19日(火)〜2024年3月10日(日) |
世界の数ある建設現場の中で、入場料が必要な現場は、おそらくサクラダ・ファミリアのみではないだろうか。そのサクラダ・ファミリアが2026年頃を目途に完成するそうだ。19~20世紀にかけて、アール・ヌーヴォーの時代にバルセロナを中心に活動したガウディの創造の源泉と、完成間近で何かと話題に上がるサグラダ・ファミリア140年の歴史を探る展覧会。
ガウディって、どんな人ですか?
エダマメ先生
スペイン・カタルーニャ出身の建築家だよ。
今から約100年前に亡くなった人で(1852年~1926年)、アール・ヌーヴォー期にバルセロナで活躍したんだ。
代表作と呼ばれている建築物はサグラダ・ファミリア、グエル公園、カサ・ミラなど。アントニ・ガウディの作品群としてユネスコ世界遺産に登録されているほど、評価の高い建築家だよ。
余談だけれど、グエル公園は、アニメワンピースの「ドレスローザ」のモデルになったとも言われているんだ。
サクラダ・ファミリアって何ですか?
エダマメ先生
スペインのバルセロナに実在する、カトリック教会だよ。
カタロニア・モダニズム建築(スペイン版アール・ヌーヴォー様式みたいなもの)の代表作で、建築家アントニ・ガウディの未完作品として、観光名所になっている世界遺産だよ。
なんでも、1882年に着工して以降、工事が長々と続いていて、デザインのテイストが工事した年代によって異なる、異色の建築物なんだ。
長らく続いた工事だけど、2026年には完成するらしいよ。本当に完成するのかな?って不安になるけど…。
そんな不思議な建築物の軌跡をに触れられる展覧会は面白そうだね!
テート美術館展 光 ─ターナー、印象派から現代へ
ジャンル | 古典~近代絵画 |
東京 | 国立新美術館 2023年7月12日(水)~10月2日(月) |
大阪 | 大阪中之島美術館 2023年10月26日(木)~2024年1月14日(日) |
テート美術館コレクションより「光」をテーマにした作品約120点を厳選。18世紀末~現代にかけて、約200年間におよぶアーティストたちの独創的な創作作品を紹介する展覧会。
テート美術館は、どこにあるのですか?
エダマメ先生
正式には、イギリス政府の持ち物になっている美術品を展示しているイギリスにある美術館を運営している組織を“Tate”と呼んでいるよ。
テートは以下の5つの美術館から構成されていて、総称して「テート美術館」と呼んでいるよ。
・テート・ブリテン
1500年代、テューダー朝以降~現代の作品を展示。
ヴィクトリア朝時代の名品、J.M.W.ターナー自身から寄贈作品が見どころ。
毎年テートが主催する「ターナー賞」展の会場である。
・テート・モダン
ロンドンにある国立の近現代美術館。
20世紀以降の現代アートを展示。
・テート・リバプール
マージーサイド州リヴァプール市にある国立の近現代美術館。
ロンドン以外のイングランドで最大の近代美術・現代美術の展示品数である。
・テート・セント・アイヴス
イギリス西南部コーンウォール半島のリゾート地・港町であるセント・アイヴスにある国立の近現代美術館。
・テート・オンライン
テートのウェブサイト。実際に見に行けない全世界の人へ向けた第五の美術館。
デイヴィッド・ホックニー展
ジャンル | 現代アート、ポップアート |
場所 | 東京都現代美術館 |
会期 | 2023年7月15日(土)~11月5日(日) |
現代芸術における代表的なイギリス人ポップアーティストである、デイヴィッド・ホックニーは、御年86歳の現在も尚、精力的に活動を続けている。日本では27年ぶりとなる大規模な個展であり、今まで制作してきた代表作に加え、コロナ禍にiPadで描いた最新作まで、約120点を集めた展覧会。
ホックニーって、どんな人ですか?
エダマメ先生
1937年生まれのイギリス出身の現代アーティストで、今なお現役!
20世紀のポップアート運動を語るうえで欠かせない作家で、60年以上も、都会生活や身のまわりの自然を鮮やかな色彩で描いている作家だよ。
写真家やステージデザイナーとしても活躍していて、版画家としても知られてるんだ。
ホックニーの作品は、どんな特徴がありますか?
エダマメ先生
鮮やかな独特の色彩が特徴だよ。
独自の視点から描いた風景画が多くて、その中でもカリフォルニアのプールや庭園を描いた作品は有名。光と影を巧みに使いこなした空間表現にも定評があるよ。
次々に新しい手法に挑戦していて、コロナ禍にはiPadを使用した大作の制作にも挑んだんだ。(展覧会で観られるよ!)
この展覧会は、どんな人にお勧めですか?
エダマメ先生
現代アートは難しいっ!って思っている人。
メッセージ性やコンセプトありきの哲学的なアートに疲れてしまった人。
ホックニーの鮮やかで明るい陽光を感じさせる作品は、見ているとエネルギーを貰えるはず。「アートって楽しい、ワクワクする」を体感しましょう!
イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル
ジャンル | ファッション |
場所 | 国立新美術館 |
会期 | 2023年9月20日(水)〜12月11日(月) |
イヴ・サンローラン美術館パリの全面協力を得て実現することのできた、イヴ・サン=ローラン(1936~2008年)の没後、日本初となる大回顧展。110体のスタイリングに加え、アクセサリー、ドローイング、写真等、約300点を展示。豪華絢爛な「モードの帝王」の世界観を存分に味わうことのできる展覧会。
デザイナー、イヴ・サン=ローランの経歴を教えてください。
エダマメ先生
1936年にアルジェリアで生まれ。
20歳のときにパリに出てきて、クリスチャン・ディオールのアシスタントとして働き始めるよ。
1957年にディオールが亡くなった後、サンローランは、わずか21歳でディオールの後任として就任。
1961年に、自身のファッションブランド「イヴ・サンローラン」を設立したよ。
女性用ファッションだけでなく、男性用ファッションや香水なども手がけたことで有名。
革新的なデザインで知られていて、「トラペーズドレス」や「スモーキングスーツ」などが代表されるよ。
永遠の都ローマ展
ジャンル | 古代ローマ彫刻 |
場所 | 東京都美術館 |
会期 | 2023年9月16日(土)~12月10日(日) |
イタリア・ローマにあるカピトリーノ美術館は、教皇のコレクションを核に設立され、1734年に一般公開された、世界有数の歴史ある美術館。ローマ建国~近代までの約70点の彫刻、絵画、版画等を通じて、「永遠の都」と称されるローマの歴史と芸術を紹介する展覧会。広大彫刻の傑作、門外不出の傑作「カピトリーノのヴィーナス」は必見。
どうしてローマには彫刻が多いのですか?
エダマメ先生
古代ローマでは芸術や文化を重視していたからだよ。
彫刻は政治的な意味合いや権力の象徴として、重要なメッセージを伝える役割を果たしてきたツールでもあったんだ。
カピトリーノのヴィーナスって何ですか?
エダマメ先生
紀元前2世紀に制作されたと推定されている、古代ローマ時代の彫刻の一つで、ローマ神話の愛と美の女神ヴィーナスを表しているよ。
女性の裸体を美しく表現したもので、とても人気のある彫刻なんだ。
古代ローマ時代の彫刻でも名作に数えられるもので、多くの模写が制作されてきた有名作品だよ。
滅多に貸し出してもらえない名彫刻だから、展覧会では絶対にチェックしよう!
彫刻の見方がわかりません。
エダマメ先生
作品の表情やポーズ、素材の質感や色彩などを観察してみよう。
作品が制作された時代背景や文化的背景を知ることも、作品を理解する上で重要だよ。
折角なら、美術展へ足を運んでみよう!
如何でしたでしょうか。
古代ローマから現代アートまで、今秋は大型企画展が目白押しです。
普段、アートに触れる機会の無い方も「芸術の秋」を楽しんでみましょう。
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